




私が劇映画『沖縄』に出演するために、二度の渡航拒否を受けてから、もう五十年近くの歳月が流れました。三度目に申請に行った時の都庁の窓口の方の、私と後ろに並ぶ沖縄出身の学生さん達に対する対応は、今で言えばパワーハラスメントそのものでした。戦争に敗けたからとはいえ、沖縄の方々が戦勝国アメリカと祖国日本にいかに不自由で理不尽な生活を強いられているか、その一端を肌で感じた忘れられない思い出です。 それ以後、沖縄は日本に復帰し、往来は自由になったとはいえ、限りない不自由を押しつけられている現状は昔と少しの変わりもありません。しかし、私にはこの不自由さと斗う沖縄の方々の中に、私達おおかたの日本人が失いかけている、日本という国の希望と誇りを強く感じる事があるのです。 そして、蘇ったのが阿波根昌鴻と瀬長亀次郎という突出した二人の人物でした。この二人と出逢っていただけたら、沖縄の方々が何故へこたれずに座り続けるのか? 何を求めていられるのか? ほんの少しわかっていただける気がするのです。
企画・出演 佐々木愛







