2018年11月例会「毒薬と老嬢」

劇団NLT公演

とき

2018年11月5日(月) 12:30開場 13:00開演                         18:00開場 18:30開演                                 (1日2回公演)

ところ

レクザムホール・小ホール

配役

あらすじ

時は第二次世界大戦の火蓋が切って落とされた頃。ニューヨークの閑静な住宅街にアビィとマーサ、二人の老姉妹が一寸頭のおかしい甥のテディと同居していた。二人は町では評判の慈善家で、屋敷を訪ねてくる身寄りのない寂しいお年寄りに、手作りの美味しい“ボケ酒”をもてなしていた。

テディの弟で近々結婚することになっている新聞記者のモーティマーも、この叔母達を愛している。しかし、応接間のチェストの中で彼は見てはならない叔母達の秘密を見つけてしまう・・・。

そこに殺人罪で逃走中のもう一人の甥ジョナサンが相棒と久しぶりに帰って来た。しかも彼は、殺した男の死体と共に帰ってきたのだ。ハラハラ、ドキドキ、スリルたっぷりのストーリー。果たしてこのおばあちゃま二人の秘密とは・・・?

劇評

〈朝日ジャーナル〉                              孤独な老人を始末するのは“善行”。そう思い込んでいる近所で評判の親切ばあさん二人が十二人の老人を次々と殺害。ハラハラドキドキの「毒薬と老嬢」はしかし恐怖を巧みに変化。                                (村井 健)

〈読売新聞〉                                 核家族化と言われて久しい。経済、住宅などさまざまな事情はあるだろうが、子が老いた親の面倒を見られない現状は、心痛むばかり。そのお年寄りを安楽死させる話で、精神的に豊かな老後作りを含め、老人問題の再検討を迫るブラック・ユーモアがこの作品には満ちている。

〈産経新聞〉                                 二百ステージを越える、いわばNLTのおはこコメディー。哀しく辛いテーマにもかかわらず、抱腹絶倒の楽しい仕上がりとなった。現代の高齢化社会への風刺を越えて、幕がおりてからも笑いが腹の底に余韻となって残る芝居である。         (石井啓夫)

感想文

《ブラック・ユーモアそのもののような舞台》42歳 女性            老嬢の死に対する倒錯した心理を中心にブラックユーモア風のストーリーが舞台に展開し、老嬢の可愛い仕草やセリフが、なんともいえない奇妙なユーモアを醸しだすのが興味深かった。ブラックユーモアそのもののような舞台だった。

《久しぶりに芝居を堪能》44歳 女性                     あっという間の2時間半、軽妙酒脱、ブラックユーモア、精密機械のように細部にわたるまで計算され論理的に組み立てられた、しっかりとした脚本、二人の老嬢の可愛らしい魅力。芸達者な役者さん達。久しぶりに芝居を堪能した思いでした。

《老嬢二人・絶妙の呼吸》36歳                         マーサとアビィの絶妙の呼吸が、かわいくて楽しくておもしろくて、いつのまにか我を忘れて笑っているうちに、時が過ぎてしまいました。特にアビィの間のとり方がなんともいえずうまい!死体役の方も含めて、芸達者な方々で構成された、素直にワッハッハッと笑える・・・でも、考えさせられる劇でした。