とき
2018年5月9日(水)開場18:00 開演18:30/10日(木)開場12:30 開演13:00
ところ
レクザムホール・小ホール
電化製品が普及し始めた1960年代。手作業でもやしを生産している「泉商店」の長男恵五郎は、妻に先立たれ一人で息子を育てながら、寝る暇もなくもやしを作り続けていた。妹の十子と弟の一彦は、自分の事ばかりで店を手伝おうとせず、ある日、ふらりと現れたもやしっ子のような青年を住み込みで雇うことになるが…。家族や周囲の人々との心通う交流を懐かしく描き出した、小川未玲の珠玉作です。
作・演出:小川未玲
音楽:上田 亨
装置:大田 創
照明:藤田隆広
音響:岩本道雄
衣裳:伊藤早苗
ヘアメイク:馮 啓孝
歌唱指導:斉藤聖子
演出助手:早川 諄
舞台監督:金子武男
制作:白川浩司
1967年、神奈川県横須賀生まれ。日本劇作家協会会員。
1993年「深く眠ろう、死の手前ぐらいまで」がテアトル・エコー創作戯曲募集に佳作入選。1996年8月 同作品上演(演出・熊倉一雄)。 以降、「お勝手の姫」、「やっかいな楽園」、「ちゃんとした道」(第48回岸田國士戯曲賞ノミネート)、「涙で頬が傷だらけ」、「もやしの唄」(第49回岸田國士戯曲賞ノミネート)、「忘れられランド」、「ぼんぼりワルツ」、「羽衣ゲートキーパーズ」、「おむすび長屋」をテアトル・エコーに書き下ろす。「せりふの時代」に5作品の戯曲が掲載され、全国各地の劇団に作品が上演されている人気の女流劇作家。井上ひさし氏の秘書を務めた経歴を持ち、愛弟子として全幅の信頼をおかれていた。
- 高度成長の機械化、生産性重視の風潮のなかで店は続けられるのか、 一家の生活にふれながら、ユーモアとペーソス豊かに展開します。 薄暗い室の中で、四斗樽の上に厚く降り積もった雪のように生え揃って白く輝くもやしを、二人がじっと眺める時、確かにもやしの奏でる音を聞いたような気がします。(中略) 喜劇一筋のこの劇団ならではの、チクリと風刺の利いた趣向だと言えましょう。 (演劇評論家・みなもとごろう氏)
- 若手劇作家の小川未玲が、時代の転換期に着目してじっくり描きこんだ家族劇。 ささやかでも、確かな幸せのありかを実感させた味わい深い舞台。 たとえ小さくても、幸せはやっぱり幸せなのだと気づかせ、現代人の見失ったものを照らし出します。(中略)「経済成長」の波に乗ることが幸福だという“神話”が流布される時代への、小声の異議申し立てが、ぴりりと効いたカラシのように、作品をひきしめています。 (しんぶん赤旗・金子徹氏)
<初演時アンケートより>
- しみじみとした優しさと笑いが心に残る良い芝居だった。
- 昭和30年代の古き良き時代の情景を垣間見た気持ちで、とても懐かしく感じました。
- 今日はもやしを買って帰ろう!何度もかみしめて味わいたいと思います。
- 日本の生活が変化する様子が上手く描かれていた。ストーリーや演出、俳優の演技もリアリティがあって、共感できる芝居だった。また見たい!
- 涙と笑いと色んな要素をたくさん含んで、本当に充実した楽しい感動をもらいました。
- ストーリーも面白く、観ているうちに自然と笑えて涙が出ました。
- ひとつのことをじっくりと取上げて大変よい物語に仕上げています。みごとなものですね。
- 鉄道唱歌で泣くとは思いませんでした。
- 近代化について考えさせられる深い作品でした。台詞のやり取りに味があり感動しました。
- なくしてしまってから気づいても遅い、心のあり方を大切にしたいと気づかされました。
- やさしい心を持った人々が生きにくくなってしまった今日、この作品の問いかけるものは大きなものだと感じました。
- 昭和の素朴であったかい時代の情景が懐かしく、ジワッと涙が出てきました。
- いいセリフがたくさんありました。俳優さんたちの豊かな表現力が相乗効果をもたらし、心地よい気分になりました。