太平洋戦争末期の昭和二十年初夏―。
音楽を愛する学徒出身の特攻隊員ふたりが佐賀県鳥栖市の小学校に駆けつけ、今生の別れにベートーベンのピアノ・ソナタ「月光」を弾き、沖縄の空に出撃していった…。
戦後四十五年―その古いグランドピアノが廃棄されると聞いた吉岡公子は、平和の願いの証しとしてピアノを保存してほしい、と全校集会で呼びかける。
教師としてその場に居合わせた公子。隊員たちのそのあとは。さまざまな想いが時をこえて、今。
朗読劇『月光の夏』は、単なる朗読とは違います。ベートーヴェンのソナタ「月光」のピアノ演奏と〈ドラマリーディング〉がおりなす、新機軸のライブ・ステージです。
かつて、ラジオドラマは「心の劇場」と言われました。朗読劇もまた、観客の想像の世界をひろげます。のみならず、人間の息吹が伝わる、臨場感のある生の舞台です。名曲の調べとあいまって胸で聴く、心の目で観る、深い味わいの感動のドラマをおとどけします。戦争犠牲者の鎮魂と平和への祈りをこめて―。
朗読劇に対して地味とか単調といった先入観がありましたが今回はそういった印象を一新させられました。一時間半が、非常に短く感じられました。映画は観ましたが帰還兵の更なる過酷な運命や苦悩までていねいに語られ、演じられていたところに感銘を受けました。ピアノも素晴らしかったですね。『ピアノコンサートと演劇』の二つを堪能できたことで、本当に得した気持ちです。後日、「知覧からの手紙」、隊員の遺書絶筆など、ゆっくり読みました。
戦争さえなければ二人の特攻隊員はピアノを存分に弾けたし、音楽の先生になっていたのに…残念。私の父も戦死しているので、胸がジンとしてなみだがポロポロだった。ピアノの演奏「月光」とても感動した。東演は「長江」もとても良かったし、「月光の夏」もすばらしかった。
朗読劇は地味だが、今回の作品はことばと音楽が溶け合って、集中して鑑賞できた。「笑えるお芝居」でなくては見ない!という持論はあっさり捨てます。
大変すばらしかったです。戦争は体験してませんが、一つ一つの言葉が手に取るような感じで…。なくなった若者の人達は現在子供と同じ位の年令です。とても悲しく思いました。皆様の言葉が身にしみてしまいました。ありがとうございました。
ピアノ〜ブラボーでした。
「月光」ソナタが、こんなにも表情豊かに弾かれるのを聴いたのは初めてで、感動しました。朗読劇は、演じる側から渡された言葉を観る側が想像力でイメージをふくらませるので、緊張もしましたが、楽しかったです。
特攻隊員の若者の遺書は、一人一人の覚悟が立派過ぎて痛々しくて涙が出ました。そこまで一色に染め上げた時代の空気と教育は、改めて恐ろしいと思いました。