2020年11月例会「八月の人魚たち」
- とき
- 2020年11月23日(月) 午後6時30分
- ところ
- アルファあなぶきホール 小ホール
- 原作
- J・ジョーンズ、N・ホープ、J・ウーデン
- 演出
- 酒井 洋子
ものがたり
アメリカ南部ノースカロライナ州アウターバンクスにある、簡素なコテージ。
この島々が連なる美しい海岸線の保養地へ、毎年夏の終わりに集うことを何よりも大切にする人たちがいた。かつて大学の水泳部で同じチームだった5人の同級生だ。
1年に一度ここで迎える仲間との週末は、それぞれが近況を語り、とりとめのないおしゃべりが続くだけ。
しかしここは、永遠に続くように見える海と、生涯の友情が確かに感じられる唯一の場所だった……。
キャスト
「作家について」
ジョーンズ、ホープ、ウーテンはアメリカ南部のトリオ作家として、演劇、TVなどに数多く脚本を共同執筆しています。南部独特のアイデンティティを帯びたコメディやヒューマンドラマを得意とし、アメリカだけにとどまらず、イギリス、カナダ、オーストラリア等の英語圏を中心に世界中で上演され、高く評価されています。
今回、このユニークな3人組の作家を日本に初めて紹介・上演します。
女たちの絆を描いた心あたたまるドラマは、私たちの心にさわやかな感動を広げるでしょう。
各地の感想文
舞台の幕が開き、人魚たちが飛び出してきた時、すでにもうずっと前からの親しい友だちの感覚でした。なぜなら台本は読んでいるし、当日のお昼には、素顔の人魚たちに会っていたからです。人魚たち、そんな本音を言い合って大丈夫?なんて素晴らしい絆の仲間たちかしら!思いっきり本気で、自由に伸びやかに生きて泳いでいる女性が一緒に笑って涙していますよ。人生を振り返った時、人生を豊かにしてくれたお芝居の一つとして、人魚たちを思い出すことでしょう。ありがとう、人魚たち!
市民劇場で舞台を見るのは今回で3回目。『八月の人魚たち』は、アメリカでの友情物語を五人の女性が演じていくというのでちょっと期待。カーテンが上がると私の大好きなフリオ・イグレシアスの「ビギン・ザ・ビギン」の甘い歌声でのオープニング。簡素なコテージではあるが南あめりかの保養地を思わせる舞台。照明によって明るく華やかだったり、ちょっとしんみりだったりと五人の女性それぞれの人生と友情が描かれ、期待を裏切らない舞台でした。色々と考えさせられる舞台もいいけれど、やっぱり楽しい舞台がいいですね。
アメリカと日本という国の違い、習慣等は会っても、女性同士が結んだ友情は男性諸氏が思うよりずっと深い。青春の一時期同じ目的を持っていたこの芝居の女性たちは卒業後もずっと交流を続けている。性格も仕事も違うが、かつての団結心が友情を培っている。お喋りとスキャンダル満載かと思えば、修道女だったジェリーが身重の姿で現れ産気づく所で俄然友情が見せかけではなかったというのがわかる。その後もそれぞれの人生の転機で、非難はしつつ、最後には理解し支援し問題に対処できる友が必ずいる。いや、居るというより、友を助けたいという気持ちが強いからだろう。一番頼りになっていた弁護士のダイナが亡くなった後、色事にしか興味がないように見えたレクシーの心遣いの深さを知ることになった。こんなの出来すぎよ、と思わぬでもないが、そういえば私もこんな友がいるなーと胸が熱くなった。
関連
- Copyright © 2014-2024 香川市民劇場. All rights reserved.